トラックが横転し積荷のマグロが破損した。対物賠償ではどこまで払う?

こんにちは。保険セブン宮崎本店の高妻です。本日は自動車保険の情報提供・・・というか問題です。ある保険会社から送られてくるメルマガで書いてあった内容ですが、知っておいて損はないかと思いますのでシェアしておきます。

あなたも考えてみてください。

 

それでは問題です。

【問題】

Aさんはある日、鮮魚商○○のトラックに衝突し横転させました。この事故のため、積荷のマグロが商品としてダメになったのです。加害者側としては、マグロの仕入れ代金を賠償すべき損害と考えている。

ところが、鮮魚商○○は、「うちはこのマグロを捌いて回転寿司の商品として販売している。しかも、この商品は最高級のマグロだ。その売上利益も補償してくれないと困る。」と主張している。

このような場合、自動車保険の対物賠償ではどのように考えると思いますか。

 

【回答例】

文献には次のように記載されています。

「積荷が破損した場合にはその積荷の交換価値をもって損害として認定されうる」(「交通事故訴訟」民事法研究会刊、475頁)

交換価値とは、使用価値に対比される言葉で、市場におけるその物の価格です。そのため、破損した積荷が商品である場合、その損害の額は、仕入れ値ではなく、その商品が売れた場合に得られる利益、すなわち「売値」となります。

本件事故では、生ものであるマグロが破損しています。売り物として取引される前の商品なので、価格が決まっていないこともあり得ます。
しかし、交換価値は市場での取引価格ですから、「売れたとしたらいくらであったか」を判断し、売れた場合の額を補償すべきこととなります。

※実務では、破損させた積荷の再仕入れができる速度によって、「仕入れ値」と「売値」の間で示談解決することになるようです。

 

賠償する義務があるものに対して払うということ

いかがでしたか?

一件、目に見えるものに対しての損害だけを支払うように考えがちですが、そこから付随する間接的な損害についても支払いとなるケースがあるということですね。

なかには『対物賠償を1000万とかで大丈夫!』という方もいらっしゃいますが、上記のような事故が起きた場合、1000万では足りないケースも出てくると思います。やはり事故が起きることが前提で加入するのが損害保険ですから、そのことをしっかりと理解した上で保険はかけるべきかと思います。

ちなみに、判例で認めている費用の例としては、

  1. 事故直前に車検のためにかけた整備費用(京都地裁平成15年4月18日)
  2. 事故前3ヵ月前の定期点検、整備費用(大阪地裁平成12年11月21日)
  3. カーナビ、高級コンポ等の付属品(水戸地裁平成13年2月15日)

判例で認めていない費用の例としては、

  1. リース契約解除に伴う損害金(名古屋地裁平成15年4月16日)
    ※特別損害にあたるとしています。
  2. 車両保険を使用した結果、次回保険料が増額した差額
    ※増額保険料と事故との相当因果関係がないとしています。

このようなことを考えると、やはり補償内容を軽く考えることは危険ですね。また、自動車事故で車両時価や付属品、積荷などの直接損害だけでなく、費用関連等の間接損害でお客様がお困りの場合は弁護士費用特約を付けていると非常に助かると思うので弁護士特約も検討されると良いかもしれませんね。

 

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